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神戸の中堅蔵として、凍結酒等、様々な新しい試みをしてきた、福壽酒造は震災で蔵が半壊したのをきっかけに、蔵を新築、「神戸酒心館」として再スタートしました。 鉄筋の蔵と、きれいなゲストハウスを造り、観光客の方もたくさんいらっしゃいますが、一番変ったのはやはり酒造りです。 新築の蔵とはうらはらに、蒸米は昔ながらの釜と甑を使ったきちっとした蒸しで、全ての酒は伝統的な蓋こうじで造られています。大変手間のかかる仕事ですが、それゆえに、個性的で素晴らしい酒ができるのです。 |
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流通も全ての商品が問屋経由であったものが、今までの「福壽」の銘柄とは別に「神戸酒心館」という銘柄をつくり、よりすぐられた、きちんと商品管理ができる酒販店のみが加入できる「酒心館の会」の会員店のみに蔵元からすべて直送で送られるシステムになりました、これによって、流通途中での酒の劣化という事がほぼ解消したといっても良いでしょう。 |
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酒の特徴 「酒心館の酒」は全体的には(例外もありますが)灘にしては軽快で飲みやすい辛口に仕上がっていると思います。 それは、澤本喜久男杜氏の考え方で、内柔外剛の堅くしまった蒸し米を使い、出来るだけ米が溶けないように酒造りをするというポリシーによるものだと思われます。 |
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澤本杜氏のお話では、「米が溶けすぎた酒は悪酔いする、こうして贅沢な米の造りをした酒はくいくい、と喉越しがよく、酔い覚めがとても良い」という事でした。 しかし、こうした酒造りは粕歩合が増えます。粕が増えるのは堅く搾っているからではなく、米があまり溶けていないので、たくさんの粕がでるのです。剣菱さんなどは、とにかく米を溶かして非常にエキス分の多い酒をつくりますが、私はどちらが間違っているという風には思いません、そのどちらもが個性だと思っています。 こうした理由から、「酒心館のお酒」は灘としては軽めの、きれいな味わいに仕上がっています。 (しかし、こうした酒を造った時にできる粕は分厚くて、じつに美味しいものです、私が訪れた日も丁度蔵のみなさんが休憩されていたので、仲間にいれてもらい、粕に黒砂糖を挟んで焼いたモノをご馳走になりました。まるで濃密なこしあんがつまっているようで、とても美味しい粕です)
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生もと造りへの挑戦 「酒心館」の新たな挑戦の一つが生もと造りへの挑戦です。現在、残念ながら生もと造りを実践している蔵元は殆どありません、「酒心館」が「生もと造り」にあえて着手したのは、消費者や酒販店の強い要 |
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望と、今のうちに次世代に「生もと造り」を伝承しようという考えからでした、一度とぎれてしまった技術を再び掘り起こす事は出来ないからです。 |